生まれたての小鹿の足は震えている

目の前に映る何もかもが怖くて。

一人じゃ立てなくて。どうしたらいいのかも分からなくて。

 

きっと生まれたての小鹿は泣いている。

どうしようもなく泣いている。

 

でも本能的に、立とうとする。4本の足で、立とうとする。

 

恐怖と勇気が同居している。

心に巣食う恐怖と闘っている。必死に。

 

 

今の俺は生まれたての小鹿だ。

必死に立とうとする。自分の足で立とうとする。