選択の是非はいつも分からない
どうしたらいいのか分からなくて右往左往する。
優柔不断こそ僕であり、石橋を叩いて渡ることこそ信条だったのだけど、あまりにも二の足を踏みすぎて、変化を渇望している。
何かスイッチがOFFからONに急に切り替わって、「ぐんっ」って自分の組成が再構築されるような、そんなきっかけを探している。
何かきっかけが、きっかけが欲しい。
何年も引きこもって、その自分を嫌悪して、だから変わりたくて、予備校に通おうと思ったあの日。自転車でいつもの散歩コースを走っていた。変わりたくて、いつも左に曲がるルートを選ばず、右に行った。それでも逡巡して自転車を止める。どうしよう。このまま前に進んでいいのか。進め。進め。行け。行け。あのとき俺は衝動に突き動かされていた。もう変わるしかなくて、この鬱屈した日々、自堕落な日々を変えるには、この道を進むしかなくて、だから行く。行く。行く。俺は行く。
そうやってそのまま自転車を再び漕ぎ出し、駅で電車に乗り換えて、予備校に行った。
あの日に俺の日常は変わった。
去年の3月、それまでゲームにただ没頭していて、どうしても抜け出せなくて、辛くて、辛くて、でも変わらないといけなくて、その我慢の限界が来たあの日。俺はゲームをアンインストールして、英検準1級の勉強を始めた。2か月ただそのことだけを考え続けた。あの日俺は変わったんだ。あの日俺の日常は変わった。
そういうきっかけを再び探している。何かきっかけが欲しい。
俺はまた変わりたい。俺はまた変わりたい。
僕にとって。本当の僕にとって。